事業再構築補助金とは?概要や申請方法を解説  

今回は事業再構築補助金についてのコラムです。名前を耳にしたことがある方もいらっしゃるかと思いますが、補助上限が数千万円と補助額の規模も大きく新規事業や事業転換などに幅広く活用できる補助制度となっておりますので、ぜひご参考にしていただければと思います。 

目次

事業再構築補助金とは 

補助制度

事業再構築補助金とは中小企業を対象に、ポストコロナ・ウィズコロナ時代に対応するための事業再構築を支援するための補助制度となっています。 

事業再構築とは、以下の通り定義されています。 

新分野展開 

中小企業等が主たる業種・事業を変更することなく、新たな製品・商品・サービスを提供することにより、新たな市場に進出すること。 

事業転換 

中小企業等が新たな製品・商品・サービスを提供す ることにより、主たる業種を変更することなく、主たる事業を変更すること。 

業種転換 

中小企業等が新たな製品・商品・サービスを提供す ることにより、主たる業種を変更すること。 

業態転換 

製品・商品・サービスの製造方法または提供方法を相当程度変更すること。 

事業再編 

会社法上の組織再編行為(合併、会社分割、株式交換、株式移転、事業譲渡)等を補助事業開始後に行い、新たな事業形態のもとに、新分野展開、事業転換、業種転換、業態転換のいずれかを行うこと。 

対象となる事業者 

補助制度を受けるためには上記の事業再構築への取り組みの他にも様々な条件があります。 

※詳しくは公募要項をご確認ください。( 公募要項はこちら

中小企業者等もしくは中堅企業等であること 

事業再構築補助金は中小企業等もしくは中堅企業を対象とした補助制度です。 

どちらに定義されるかによって補助額なども変動するので確認するようにしましょう。 

【中小企業者等の定義】 

  • 資本金・従業員規模の一方が基準以下の場合対象(個人事業主を含む)  
  • 製造業、建設業、運輸業…資本金3億円、常勤する従業員数300人  
  • 卸売業…資本金1億円、常勤する従業員数100人  
  • サービス業(ソフトウエア業、情報処理サービス業、旅館業を除く)…資本金5,000万円、常勤する従業員数100人  
  • 小売業…資本金5,000万円、常勤する従業員数50人  
  • ゴム製品製造業(自動車又は航空機用タイヤ及びチューブ製造業並びに工業用ベルト製造業を除く)…資本金3億円、常勤する従業員数900人  
  • ソフトウエア業又は情報処理サービス業…資本金3億円、常勤する従業員数300人  
  • 旅館業…資本金5,000万円、常勤する従業員数200人  
  • その他の業種(上記以外)…資本金3億円、常勤する従業員数300人 

※ただし大企業の子会社などはみなし大企業とされ、中小企業の枠組みから外れる場合があります。 

【中堅企業等の定義】 

  • 上記の「中小企業等の定義」に該当しないこと。  
  • 資本金の額または出資の総額が 10 億円未満の法人であること。 
  • 資本金の額または出資の総額が定められていない場合は、常勤する従業員数が 2,000 人以下であること。 

新型コロナウイルスによる売上高等減少 

事業再構築補助金は新型コロナウイルスの影響で売上が減少していることも条件の1つとなります。売上の減少については下記の通り定められています。 

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高が、コロナ以前 (2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計売上高と比較して10%以上減少してい ること。 

もしくは下記のような条件を満たす場合も対象となります 

2020年4月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計付加価値額が、コロナ以前 (2019年又は2020年1月~3月)の同3か月の合計付加価値額と比較して15%以上減少し ていること。 

※「任意の3か月」とは「2020年4月以降の連続する6か月間」の範囲内であれば連続した3か 月である必要はありません。 

また、「コロナ以前の同3か月」とは、原則、事業者が任意で選択した3か月と2019年1月~12 月又は2020年1月~3月の同3か月とします。 

簡単にまとめると「新型コロナウイルスの影響で売上が減少した中小企業もしくは中堅企業」が対象となります。 

補助対象経費 

新規事業イメージ

事業再構築にかかるすべての経費が補助対象となるわけではありません。補助対象は下記の通りです。 

  • 建物費 
  • 機械装置・ システム構築費 
  • 技術導入費 
  • 専門家経費 
  • 運搬費 
  • クラウドサービス利用費 
  • 外注費 
  • 知的財産権等関連経費 
  • 広告宣伝・販売促進費 
  • 研修費 

下記のような経費は補助対象として認められないので注意が必要です。 

  • 事務所等に係る家賃、保証金、敷金、仲介手数料、光熱水費  
  • 電話代、インターネット利用料金等の通信費(クラウドサービス利用費に含まれる付帯 経費は除く) 
  • 販売する商品の原材料費、文房具などの事務用品等の消耗品代、雑誌購読料、新聞代、 団体等の会費 

想定している経費の中でどこまでが補助対象として認められるのか必ず確認するようにしてください。 

補助額・補助率 

事業再構築補助金には様々な申請累計があり、累計によって補助額の上限や補助率が変わりますが、通常枠について解説をします。 

通常枠申請要件 

通常枠の申請条件は以下の通りです。前述した新型コロナウイルスの影響による売上減少のほかにも「認定経営革新等支援機関」に定められた支援機関と協力して事業計画を作成することなどが条件となっています。 

  • 事業内容が「事業再構築」の定義に該当する事業であること 
  • 2020 年 4 月以降の連続する6か月間のうち、任意の3か月の合計売上高 が、コロナ以前(2019 年又は 2020 年1月~3月)の同3か月の合計売上 高と比較して 10%以上減少していること等 
  • 事業計画を認定経営革新等支援機関と策定すること。補助金額が 3,000 万円 を超える案件は認定経営革新等支援機関及び金融機関(金融機関が認定経営 革新等支援機関であれば当該金融機関のみでも可)と策定すること 
  • 補助事業終了後 3~5 年で付加価値額の年率平均 3.0%以上増加、又は従業 員一人当たり付加価値額の年率平均 3.0%以上増加する見込みの事業計画を 策定すること 

補助額・補助率 

中小企業者等、中堅企業等ともに補助額は、 

  • 従業員数20人以下:100万円~2,000万円  
  • 従業員数21~50人:100万円~4,000万円  
  • 従業員数51人~100人:100万円~6,000万円  
  • 従業員数101人以上:100万円~8,000万円 

補助率は、 

  • 中小企業者等 2/3 (6,000万円を超える部分は1/2)  
  • 中堅企業等 1/2 (4,000万円を超える部分は1/3) 

となっています。

参考

事業再構築補助金公式ホームページ(https://jigyou-saikouchiku.go.jp/)

まとめ 

事業再構築補助金は補助制度の中でも補助額の上限が高いものなので、上手く活用することでリスクを抑えて新規事業などにチャレンジすることができます。 

本補助制度をきっかけにポストコロナ時代に対応した、新しいビジネスをご検討されてみてはいかがでしょうか? 

天神経営では補助金制度の活用や新規事業の支援も承っております。まずはお気軽にお問い合わせください。

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