労働人口の減少による人手不足や最低賃金の上昇、原油価格や原材料の高騰から少ない人数・少ない費用で高品質のパフォーマンスを行う「生産性向上」の重要性が高まっています。
更に飲食店では人材不足が深刻化しており、生産性向上に取り組むことは存続のためにとても重要となってきます。
では実際に生産性向上を高めるためにはどうすればよいのか、説明していきます。
生産性とは
投入した資源(人材や時間)に対して、どれだけ付加価値(成果)が得られたか割合で表したものが生産性ということになります。
生産性は、投資(インプット)÷成果(アウトプット)という計算式で求められます。
まとめると、生産性とは投資資源に対していかに多くの成果を生み出すか、成果に対していかに少ない資源を投資するかということになります。
飲食店では、現状と同じ(又は少ない)勤務人数や勤務時間で今より多くの売上を取ることが生産性向上となります。
業務効率化との違い
業務効率化とは、既存業務のムリ・ムラ・ムダを省略や改善し、コスト削減につなげることを言います。業務効率化を行うことによって作業時間の短縮や従業員にかかる業務負担の軽減などを得ることができます。
その為、生産性向上で得られる成果とは少し異なってきます。
生産性向上とはどれだけの資源を投入した結果、どれだけの成果が得られたかという生産性を向上させる施策で、生産性向上という目的を達成する手段の一つが業務効率化です。
飲食店で生産性向上が重要な理由
生産性向上は少子高齢化による深刻な労働人口不足により、従業員の抱える業務負担が大きい今、企業存続に欠かせない取り組みとなっています。
また、人手不足による長時間労働や従業員のキャパシティを超えた仕事量を抱えた働き方も生産性が落ちてしまう為、業務内容を見直し生産性向上へと取り組む必要があります。
生産性向上がもたらすメリット
人手不足に対する改善策
近年の飲食店の人手不足は深刻です。生産性向上に努めていない飲食店はさらに深刻な人手不足問題に直面する可能性が高まります。 従業員個々の生産性向上を図ることができれば従業員数変わらずとも通常運営することできます。
コスト削減
生産性向上の為、業務効率化を実施すると今までと同じ質を少ないコストで実施できるようになることでコスト削減を図ることができます。
ワークライフバランスの改善
生産性が向上すれば、従業員の残業時間が減ります。 従業員のモチベーションやパフォーマンスの向上により長期雇用にもつながります。 また、会社としても残業代のコストを削減することができるため双方にとって大きなメリットと言えます。
飲食店の生産性指標
では、実際に業務効率化行い生産性向上を目指すにあたって、まずは経営状況の確認を行う必要があります。下記は飲食店でよく用いられる生産性指標です。
人時売上高
人時売上高とは、一人の従業員が一時間でどのくらいの売上を上げているのか示すことができる指標です
人時生産性
人時生産性とは一時間で従業員一人が働いた際の生産性の指標です
是非一度、人時売上高と人時生産性を分析してみてください。
生産性向上への取り組み
ここからは実際の取り組み内容についてご紹介していきます。
飲食店においては、労働環境の改善や人件費の見直し、従業員への落とし込みなどを行い生産性向上目指していく必要があります。
例えば、
- 注文ミスや作成ミスをなくして、ロスの削減
- 席時間を設け席の回転率を上げる
- 仕事のマニュアル化・ルーティーン化をする
- 落ち着いている時間にやるべきことをまとめておく
- 売上分析を行い閑散期の人件費削減を行う
等できることは様々です。
しかし上記取り組みすべてにおいて一貫して「お客様を第一優先に考える」ということが重要となってきます。
一人当たりの売上や生産性が低いから、人員を一人削減したという対応方法も場合によっては最良の決断かと思いますが、例えば急な団体の予約が入ったり、急に忙しくなったりした際対応できる従業員がいないため対応ができず、お客様の満足度が下がってしまうという可能性が高くなってしまいます。その為、人件費削減ではない別の取り組みを行う必要があります。
売上やお店の規模によって出来ることが変わってくるかと思いますので、ぜひ会社に合った取組内容を探してみてください。
まとめ
いかがでしょうか。生産性向上のための取り組みは会社の存続を大きく左右する可能性があります。ぜひこの機会に一度会社で行える生産性向上のための取り組みを検討されてみてはいかがでしょう。
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