ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金、通称ものづくり補助金という制度をご存知でしょうか?
中小企業・小規模事業者などを対象に、革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等に対して補助を受けることができる制度となっており、上手く活用することでコストを抑えて課題解決や売上向上を目指すことができます。
今回はものづくり補助金の申請条件や申請方法、申請のポイントを解説します。
ものづくり補助金とは
中小企業・小規模事業者等が今後複数年にわたり相次いで直面する制度変更(働き方改革や被用者保険の適用拡大、賃上げ、インボイス導入等)等に対応するため、中小企業・小規模事業者等が取り組む革新的サービス開発・試作品開発・生産プロセスの改善を行うための設備投資等を支援するものです。
補助額は一般型通常枠で100万~1250万、補助率は1/2もしくは2/3となっており、補助額が高額なのも特徴です。
補助対象となる経費
ものづくり補助金の一般型通常枠で補助対象経費として認められる項目は下記の内容です。
- 機械装置・システム構築費:①機械・装置、工具・器具の購入、製作、借用に要する経費 ②専用ソフトウェア・情報システムの購入・構築、借用に要する経費 ③改良・修繕又は据付けに要する経費
- 技術導入費:知的財産権等の導入に要する経費
- 専門家経費:本事業遂行のために依頼した専門家に支払われる経費
- 運搬費:運搬料、宅配・郵送料等に要する経費
- クラウドサービス利用費:クラウドサービスの利用に関する経費
- 原材料費:試作品の開発に必要な原材料及び副資材の購入に要する経費
- 外注費:新製品・サービスの開発に必要な加工や設計(デザイン)・検査等の一部を外注(請負、委託等)する場合の経費
- 知的財産権等関連経費:特許権等の知的財産権等の取得に要する弁理士の手続代行費用等
補助額・補助率
ものづくり補助金の一般型通常枠の補助額・補助率は以下の通りです。
補助額
- 従業員数5人以下 :100万円~750万円
- 従業員数6人~20人:100万円~1,000万円
- 従業員数21人以上 :100万円~1,250万円
補助率
- 中小企業者:1/2
- 小規模企業者・小規模事業者:2/3
申請に必要な準備
ものづくり補助金の申請には、下記の書類の準備が必要です。
- 事業計画書:具体的取組内容、将来の展望、数値目標等についてA4、10ページ程度
- 賃金引上げ計画の誓約書:直近の最低賃金と給与支給総額を明記し、これを引き上げる旨の誓約を提出
- 決算書:直近2年間分の決算書
- 従業員数の確認資料:(法人の場合)法人事業概況説明書の写し、(個人事業主の場合)所得税青色申告決算書または所得税白色申告収支内訳書の写し
- 労働者名簿:「事業者名」「従業員数」「従業員氏名」「生年月日(西暦)」「雇入れ年月日(西暦)」「従事する業務の種類」の記載があるもの(※確認資料における期末の従業員数が 20 名以下の場合のみ添付が必要)
経営計画書作成のポイント
経営計画書では3つの基本要件を満たす、3~5年の事業計画を策定する必要があります。
<基本要件>
- 事業計画期間において、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加。
- 事業計画期間において、事業場内最低賃金(補助事業を実施する事業場内で最も低い賃金)を地域別最低賃金+30円以上の水準にする。
- 事業計画期間において、事業者全体の付加価値額を年率平均3%以上増加。
今回の取組が基本要件を満たす取組である旨を計画書の中に記載していくことが重要です。また基本要件が結果的に未達となってしまった場合には補助金の返還規定などもあるため注意が必要です。
計画書の作成については、加点項目や審査項目が公募要項に明記されているため、可能な限りそれらを網羅しながら記載することが重要です。
ものづくり補助金総合サイト
まとめ
いかがでしたでしょうか?金額が大きな分、準備も大変な制度ではありますが、自社の取組を大きく後押ししてくれるものなので、積極的に活用されてみてください。
また過去不採択となってしまった事業者の方でも、再申請することも可能ですので、ぜひ挑戦されてみてください。
天神経営では専任のスタッフが補助金の申請・利用のご相談を承っております。
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